普段使いの手書きソフト Penplus
(ペンプラス/パーソナル、スタンダード,プロ、デベロッパー)最新V2.0β版レビュー
有限会社プラスソフト(埼玉県東川口)開発のPen
plus(ペンプラス)の最新バージョン、ペンプラスプロ(Penplus pro)β(ベータ)V2.0をお借りできたので、レビューします。
第二回目の今回はプロバージョンのV2.0β。開発が進行中ということもあり、レビュー記事に追加、修正が発生する場合があります。
なお、使用ソフトはβ版です。正式リリース時にはない機能、追加される機能があるかもしれません。
第二回目は「ペンプラス プロ V2.0β」レビュー(随時更新中/最終更新11月5日)
当初、7月中のリリースを目指して開発していたプロ版が、約2ヶ月程遅れてβ版の連絡を受けたので早速試用してみた。
プロバージョンはペンプラスの最上位に位置するソフトウェアで、個人のヘビーユーザーから企業ユーザー、大型タッチパネル等と組み合わせて構築する電子黒板や会議システムなどのソリューションの中核ソフトウェアとして使われる。
このレビューを書いている時点で発売日は未定。11月中のリリースを目指している。
PCの利用環境はパーソナル版と同じく、対応OSはwindows 98se/Me/2000/XP/Vista(vista対応は最新版から)
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手書きソフト、ペンプラスの機能
それぞれの特徴を簡単に説明する。どれもバージョンアップ後の機能説明であり、現行バージョンとは異なっている。
ペンプラス パーソナル
パーソナルはラインナップ中では唯一バンドルのみで手に入るものだ。単品パッケージ販売(直販も10月末日で終了)はされない。
手書き機能、付箋機能、キャプチャ機能など基本機能のみ搭載されている。
ペンプラス スタンダード
スタンダードはペンプラスの機能のすべてを含んでおり,パーソナルの機能+テキスト、図形、スタンプ機能を備える。
ペンプラス プロ(今回のレビュー)
プロはスタンダードの機能に無制限のホワイトボード機能が加わり、特にビジネス用途に使いやすく設計されている。
ペンプラス デベロッパー(デベロッパー機能解説ページ/後日公開)
こちらはソフトウェアへの組み込み用途向けだ。開発するソフトウェアにペン機能を搭載したいが開発に必要な時間や費用がなかったり,使いやすいペン機能を開発する技術がない等の場合に、ペン機能の考えられるほぼ全ての機能を(ActivXによる開発部品として)簡単に組み込める形で手に入れる事ができる。
今まで、ペン機能は搭載したが使いやすくない場合や、ペン機能があった方が使いやすいとわかっているのに、予算、人員、技術等の問題で搭載できない場合には助かるものだろう。
請求はこちらから(ショップ内ページ)
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プロβV2.0の特徴
パーソナル版と同じ基本機能は割愛する。プロ版の特徴はページ数無制限のホワイトボードや図形描画機能だが、このバージョンから「自由色」設定を加えてさらに自由度が広がり使いやすくなった印象がある。
ホワイトボード、透明板
まずはパーソナルでも利用できるペンプラスの特徴的な機能「白板」「透明板」。
これは画面を白板(ホワイトボード)もしくは線が描けるガラスの板として利用する機能ということは
パーソナルの項ですでに解説済みだ。
パーソナルとの違いはこのホワイトボードの利用数が無制限であること。
パーソナルでは一度に利用できるのは一つの透明板と一つのホワイトボードだけだが、今書いた文字や図形をそのままにページを繰るように次々と新しいホワイトボードで書き込むことが可能になっている。さらにこれらのページを自由に入れ替え、ページ順を変更することも可能だ。
パーソナル版では書いたものは一旦保存し、消去してから新たに書かなくては今まで書いたものは残すことができない。ペンプラスの核となる機能だけに、ビジネスでの利用だけでなく個人の使用でもこの機能があるだけでパーソナル版よりストレスなく使用できることが実感できるはずだ。
また、透明板に任意色の枠を追加、今使っているのが透明板であることが一目で分かるようになった。
ホワイトボードでは、背景画像を自由に設定できるようになった。これにより電子カルテや電子アンケートを作成、直接画面へ書き込んでそのままデータベースとして保存することも可能だ。(実際の運用にはデータベース等と連携するシステムが別途必要となります)
透明板の枠
ホワイトボードページ編集画面の表示サイズの違い(大中小)
ホワイトボードのページ編集、移動画面(表示サイズは中)
ページを追加する(表示サイズは中)
マーカー、ペン、自由色ペン
基本的には
パーソナル版と同じ不透明なペン9色と半透明なマーカー6色の2種類だが、今バージョンから「自由色」ペンが1種類加わった。
これは、windows標準のカラー設定画面、「色の設定」ウィンドウから任意の色を選んで使うことが可能なペンだ。
このペンが加わったことで、今まで利用できなかった9色以外の中間色が利用可能となり、水色や黄緑色などが使えるようになる。
ただし、マーカーのように半透明にはならない。
アンチエイリアス(滑らかな手書き線1,2)
パーソナル版の項で要望としてあげていたアンチエイリアス機能がプロ版に搭載されることになった。
設定のダイアログから設定できる「滑らかな手書き線 ー タイプ1、タイプ2」。
ペンプラスオリジナルのアンチエイリアスで手書き線のエッジを滑らかに表現することができるようになった。(β6までの仕様)
その後、windows vistaに描画バグが発見された影響でオリジナルからOS標準のアンチエイリアスに変更された。
変更後はタイプ1が描画時に1回、タイプ2が描画時と描画後の2回アンチエイリアス処理される。
ただし下の画像でいうと見た目では一番強力なタイプ1がなくなり、1も2も
ほとんどタイプ2と同じような印象を受ける。
OSバグということで仕方がないのだが、オリジナルの強力なアンチエイリアスは気に入っていたので少々残念だ。
左から「なし」「標準的なタイプ2」「強力なタイプ1(β版のみ)」
自由色ペンの自由度
自由色ペンは、どれだけ自由度があるか検証してみた。(β10使用)
さすがにお絵描きソフト並みの滑らかな階調表現は難しいようだ。色の設定もwindows標準のダイアログなのでお絵描きソフト等と比較すると非常に使いにくい。そもそもお絵描きソフトではないので当然である。
ただし、任意の色が使えるようになった事で、中間調の手書き文字や線なら苦もなく利用可能だし、簡単な挿絵程度なら中間調を使った柔らかい表現で全く問題なく作成可能になった。少なくともオフィスソフト等で描こうとするよりよほど自由度が高い。手書き線なのでこのままオフィス文書に貼付ける事も可能だ。
今までのペンの色数ではこのような中間調を使ったイラストは不可能だった。また、アンチエイリアスによりエッジの処理も滑らかで、見やすく描く事ができる。
繰り返すが、本ソフトはお絵描きソフトではない。色の自由度をわかりやすく検証するために絵を描いてみたが、本来は文字や線の色に自由度を持たせる目的で搭載されている機能である事をお忘れなく。
(ホワイトボードモード、グリッド線なし、背景=白(デフォルトはグレー)、自由色ペン)
プロ版で利用されるツールパレットを紹介
V2.0以降はツールパレットのカスタマイズが容易にできるようになった。ここで紹介するのは編集前の状態のミニパレットである。
それぞれのアイコンをクリックするとその下に対応したツールが表示される。
図形、スタンプ、テキストツール
ツールをクリックすると基本パレットの下に直線、楕円、四角、矢印とテキスト、スタンプツールアイコンが出てくる。
図形
このバージョンから直線ツールにshift+ドラッグによって水平にctrl+ドラッグで垂直に固定して直線が引けるようになった。
スタンプ
あらかじめ設定した画像やテキストをスタンプを押すように画面にぺたぺた貼付けることができる機能。
企業ユーザーの要望を取り入れて、透明板でもスタンプを使うことが可能になった。ガラス板にスタンプを押す感覚で使うことができる。
テキスト
テキストはペンと同じく自由色の設定が可能だ。また設定したテキストをスタンプとして使うこともできる。
虫眼鏡、領域拡大
指定した場所を指定倍率(面積比)の大きさで表示する。虫眼鏡はリアルタイムでポインター周辺を拡大。領域拡大は指定領域を拡大してウィンドウとして表示する。
パーソナル版では固定だったが、プロ版では800%まで5段階に設定できる。また、拡大領域も自由に設定できる。
ウェブブラウザの小さく見にくい文字の拡大や大画面でプレゼンする際にも小さく見にくい文字をその場で拡大できる機能は重宝するだろう。
虫眼鏡の設定ダイアログ
メールへの貼付け、オフィスソフトへの貼付け
今バージョンからoffice2007に対応、Office97〜Office2007までのWord, Excel, PowerPointへに貼り付けができ、最新の環境でも今まで通り快適にワンクリック貼付けを行うことが可能だ。
さらに、officeには手書きデータだけではなく、画像、図形、スタンプの貼付けが可能となり、ペンプラスで扱うテキスト以外の画面情報はほぼ全てワンクリックで持っていくことが可能になった。
PowerPoint2007のスライドショーへのマーキングも可能となり、プレゼンに威力を発揮しそうだ。
ツールバー設計ツール
パーソナル版にも搭載されているが、プロ版ではもっと強力で、ほとんど全てのツールパレット、右クリックメニューのカスタマイズが可能となった。ほかにも印刷プレビュー、印刷オプションの追加、インストール時に正規ソフトウェアを認証するベリサイン認証、制限ユーザーモードでの使用など多数の機能が加わっている。
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今までのバージョンを使っていた人の買い直し、アップグレードのメリット
今までのプロ版V1.52と比べてV2.0では何が変わっただろうか。
パーソナル版でも説明した最新OS、オフィススイート対応は言うに及ばず、なによりツールバーや右クリックメニューのカスタマイズ機能は非常に重宝する。
今までもできないわけではなかったが、専用ソフトをダウンロードし組み込む必要があった。
それが内蔵された上、使いやすくなっている。使わない機能のアイコンは削除、頻度の高いアイコンだけを集中させて作業効率をアップさせることが容易にできる。
今までよりきれいな線で表現できるアンチエイリアス機能や自由色の設定、付箋機能との連携やオフィスソフトへの貼付け、手書きメール作成機能など追加、拡張された機能はたくさんあるが、どれも確実に使いやすく改良されている印象がある。
パーソナル版では機能に不満のある人はもちろん、今までプロ版を利用してきた人もアップグレードをして損することはないだろう。
むしろアップグレードによって作業効率や作成物のクオリティーアップを図ることも可能だ。
最後に
いい部分ばかり述べてきたが、若干不満な点も残っている。
パーソナル版の要望点にも書いたが、オフィス等あらかじめ設定されたソフトウェア以外への貼付け機能がない。
ソフトウェアの設計上厳しいのかもしれないが、任意のメーラーやフリーオフィススイートであるopen officeなどでも利用したいところだ。
付箋へ手書き以外のデータを残せない。
図形やキャプチャした画像等、ビットマップ画像は残せない。画像情報等も一緒に残せると便利だと思うのだが、拡大縮小、再編集等を考えるとビットマップ画像を扱うのは難しいだろうか。
レイヤー機能も搭載して欲しい機能だ。レイヤーごとに表示のオンオフや書き込み、消去ができると表現の幅が大きく広がるだろう。
PDFファイルの直接読み込みと編集後のPDFファイル書き出し機能もあると業務用途でも重宝しそうだ。
はっきり言って使いにくいwindows標準の「色設定ダイアログ」をオリジナルの使いやすいものに置き換えて欲しい。お絵描きソフト並みとは言わないまでも、使いたい色を的確に拾う事ができ、普段使う色のパレットを作成する機能は文字を書くだけでもあると便利だろう。
描く機能を拡張し続けるということはその先にあるのは高機能グラフィックソフトと同じような描画機能ということになる。
しかし、このソフトウェアの目指すところはグラフィックソフトではなく、あくまで自由度の高い手書き機能をできるだけ簡単にかつ幅広い用途に利用できるものではないかと考えている。
その意味では、これから拡張される機能は描画機能より、もっと幅広いソフトウェアや用途、環境で便利に使える機能が搭載されるのではないだろうか。
今回のアップグレードでも、アンチエイリアス機能の追加等描画関連も強化されているが、ほとんどが手書き描画以外の機能アップであることからもこのソフトウェアの性格が垣間見える。
そして、今回リリースされるプロ版はこのシリーズの最高峰となる。
類似するソフトウェアはほとんど存在しない中、独自の機能でペン機能やタッチパネルに適応した自由度の高いソフトウェアは貴重な存在と言えるだろう。
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ペンプラス 特別価格販売について
ペンタブレットjpより同ソフトウェアの特価販売をしております。
プラスソフト ウェブサイト会員価格より若干ですが安価です。(2007年12月現在)
また、お得なバンドル販売も継続しています。
これを機会に「使えないペン機能」から「手放せないパソコン機能」としてペンもしくはタッチパネルをご活用いただければと思います。
(販売は有限会社プラスソフト公認です。正規のソフトウェアですので購入後の会員登録、ソフトウェアの利用に当サイトから購入による特別な制限はありません。割安なアップグレードにも対応します。)
(デベロッパーバージョンの価格はライセンス形式により多岐にわたります。
詳しくはカタログをご請求ください)
対応OSはwindows 98se/Me/2000/XP/Vista
vista対応版への無償アップグレード対応で、今すぐ購入しても後日最新バージョンに無償でアップグレードできます。
同社ウェブサイトよりも安価な設定としているので、この機会にご活用いただければと思います。
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