テストではwindows XPを使用。
windowsは一般的に使われている98se以降であれば、NTやサーバーバージョンなど一部の特殊用途OSでなければ問題ないようだ。
ただし、タブレットPCエディションなど同様の機能を最初からサポートしているモデルについては、正常に動作しなかった。
(どのパソコンでも同じような機能を複数インストールするのは推奨されない)
windows以外にもMac OSも非公式ながらドライバーが配布されている。(サポートはないので注意)
最新デバイスドライバーのダウンロード(正式なドライバーはCDメディアにて製品添付)
台湾AIPTEC社
windows用
http://www.aiptek.com.tw/english/service/d_bt_tablet_6000u.htm
Mac用
(windows版は上記のリンクからダウンロードしてください/Mac用ドライバーは未検証です)
http://www.aiptek.com.tw/english/service/d_tablet_usb.htm
(Bluetooth,HyperPenのドライバーとなっていますが、最新のphoto shop cs2などにも対応しています。添付ドライバーで不具合がある場合はこちらをお試しください)
モニターは台湾AIPTEC社製 15インチ 1024x768の標準的な液晶モニター。
ペンタブレットの仕様は、電磁誘導式で512段階の筆圧検知機能付き、ペンに電池を内蔵するタイプとなる。ドライバーのインストールは添付のCD-ROMからマウスクリックで簡単に行える。
添付の紙マニュアルは英文や中文。日本語マニュアルはPDFオンラインマニュアルのみのようである。
オンラインマニュアルはしっかり作ってあり、印刷物では簡単なスタートアップマニュアルが添付されている。
外観などのつくり
見た目のデザインは悪くない。むしろ他のメーカーにはないスタイリッシュなデザインと言っていい。
余計な飾りやボタン類がモニターの右上裏側に隠れているのですっきりして見える。
ただ気になるのはLGのロゴ。
メーカーロゴなので仕方ないのかもしれないが、これだけ安物ホログラフィックシールのように虹色に光る。
これはめざわりに感じる。手元で使うモニターなので余計目立つのかもしれない。
全体的なデザインは非常にいいので、余計気になる部分ではある。
モニターをおこした状態では一見すると普通の液晶モニターのように見えるが、両手で倒すとそのまま斜め20度程度まで傾き、ペンタブレットとして使いやすい状態にする事ができる。
キーボードとマウスの作業もしたいが、ペンタブレットとしても使いたいという人にとっては便利な機能だ。
作りも華奢な感じは全くなく、非常に堅牢な作りだが、その分モニターを動かしたり倒す,起こすの動作に多少力がいる。
重量もかなりあるが、持って作業するタイプのタブレットではないので問題はないだろう。
むしろ、作業時の体勢がモニターに乗りかかるような感じになるので、作りが弱いと壊れる心配をしなくてはならない。
この製品にはそのような心配はないだろう。
それから、台座は簡単に外れるようになっている。
外すと真上に向けて使えるので、斜めで使いにくいときには台座を外して使う。
添付ソフトウェアは、freenotes,officeink,powerpresenterRE,Corel art dabbler
(fractal design art school2 dabblerのオリジナルは発売からだいぶ経つが、こちらは後から出たcorel版が添付されている。)添付ソフトは「とりあえずつかえるもの」と考えた方がいいかもしれないが、ほとんどの場合自分のお気に入りのソフトウェアを持っているはずなので、それほど問題はないだろう。
Corel art dabblerは、ペンタブレット対応お絵描きソフトとしては相当古い部類だが、今でもしっかり本物の画材を再現する「ナチュラルメディア」技術を楽しむことができる。
ペン先から直接描けるという当たり前だが、従来型のペンタブレットでは出来なかったことをできるのが液晶ペンタブレットの良さである。
モニターとは別になる通常のペンタブレットを使っている方には、ペンを動かしている場所と実際に描かれる場所が違う事に慣れてしまっているようだが、一度液晶ペンタブレットを使うと、このペン先からインクが出る「当たり前」の感覚がものすごく「気持ち良く描ける」ことに驚くだろう。
添付のペン、ソフトウェアインストール用CDメディア、マニュアル
液晶タブレットとしての使い勝手
今までの当機の対象である法人販売ではオフィス用途が大半だったようだ。画像やテキストで来る書類をいちいち紙に出力して指示を書き込むのではなく,画面上で書き込むなどの用途であるようだ。
会社、病院などの受付、予約などでも液晶タブレットが従来の紙の代わりとして、入力された物がそのままデータベースとなる強力な機能が発揮されるだろう。ただ、この製品のように512段階の筆圧検知機能を有するような高機能な製品では、オフィス用途はもったいない気がする。
一番性能を発揮できるのはなんと言っても「お絵描き」。マウスでは不可能な本物の画材を使う感覚がモニター上で再現できる。
ペンについて
細かい性能などを差し置いても、一番重要なのが「手で触れる部分」である。
特にペンタブレットの場合、インターフェースとして一番人間の感覚器に近いのはこのペンと言っていい。
付属のペンはちょっと太めだが、女性や子どもでも持ちにくい程太くはない。
ただし、電池を内蔵するためか筆者には少々重く感じた。
重量バランスは悪くないが,ペン自体が重く感じるため人によっては慣れが必要なところだ。
ただし、他社製のタブレット用のペンだと軽すぎたり、細すぎたりして調節している人もいるようなので、「好みの範囲」ともいえる。
特に、タブレットPCに付属するペンはどのメーカーPCのものも安っぽい作りで「使用感が最悪」なのを考えると、このペンは「非常に作りがいい」部類と考えていいだろう。このペンに要望を出すとすれば、多少重く感じる事と、サイドスイッチの取り外しが出来ない事くらいだろうか。
それから、このペンには電池が内蔵される関係で電源スイッチがある。
押し込んでオン、もう一度押して飛び出たらオフだ。
スイッチの切り忘れをしてしまいそうで、この点を法人向け販売の代理店に聞いてみたところ、「実測で、切らずに放置し毎日数時間使っても内蔵電池は約3ヶ月は持つ。」とのことで、こまめに切れば約1年程度は交換の必要がないようだ。
同様に電池式の無線式マウスなどが何もしていなくても電池を激しく消耗する事を考えれば、それほど神経質になる必要はないと思っていいだろう。
接続方法はアナログ、デジタルの両対応。モニターケーブル以外にタブレット認識用のUSBケーブルがつく。
電源はアダプター式だが電源ケーブルの途中に電源トランスの箱がつくタイプでコンセント周りを邪魔する物ではない。添付のドライバーは高機能ではないものの、サイドスイッチの設定などもドライバーで行える。書き味は他社製の同様の製品と比較して中庸と言ったところ、可もなく不可もなし。
ただし、ほとんど無名の液晶タブレットでありながら512段階の筆圧検知機能を有し、違和感なく使える事に筆者は少々驚いている。
この業界はほとんど一社独占で、他の企業は全く太刀打ち出来ないと考えていたからだが、単に知名度が低いだけという事のようだ。
技術的に劣っていると感じる部分はほとんどないといっていい。(電池を使うのは特許が関係しているため)
添付のcorel art dabblerを使っても、特に違和感なく筆圧の恩恵を受ける事ができるだろう。
ほかにも、painter,photoshopなど代表的なアプリケーションでは特に問題なく使用可能である。
機能的には他社と同様の製品にひけを取る部分は少なく、完全フラット防水仕様液晶タブレット面、太めで使いやすく512段階の筆圧機能、ホバリング機能のあるペン、剛性が高く不安感の少ないスタンドなどこの機種でなければ得られない機能性も十分有しているといえる。
価格的には今回の大幅値下げにより通常の液晶モニター+αくらいで十分こなれてきており、機能的にも満足できるレベルのものだ。このような製品が出てくるのは、消費者の選択肢の幅を広げる意味でも非常に有益な事だろう。